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イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

監督:三木聡
2005年 日本

私の勝手な想像では、トンデモ精神科医の珍妙な治療法が、なぜか奏功して結果的には患者のためになる、という感じの話しだと思っていました。しかし患者達が病気を克服できたのは、ほとんど偶然の賜物というか、成り行き上そうなったというだけなのですヨ。となると、つまらない冗談を連発するだけのあの医者の存在価値ってなんなのか、と疑問を持ってしまいます。原作はもっと深みのある物語なのでしょうか。未読なので判りません。

あと、無闇にエキセントリックな人物造形が、ただ上滑りしてゆくのはとても虚しい。とって付けたように“変”を演出されると、わざとらしくて鼻白んでしまいます。学生の自主制作ビデオか、はたまた小劇団の寸劇でも観ているようで辛いものがありました。


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アクロス・ザ・ユニバース

アクロス・ザ・ユニバース デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

監督:ジュリー・テイモア
2007年 アメリカ

1960年代のニューヨークが舞台。まだ見ぬ実父に会うためイギリスから渡米したジュード、ジュードと恋に落ちるも反戦運動にかまけてしまうルーシー、ルーシーの兄でベトナムに徴兵されるマックス、彼らのルームメイトでロックシンガーのセディとギタリストのジョジョ(ジャニス・ジョプリンとジミ・ヘンドリクスってところか)、やはりルームメイトでレズビアンの元チアリーダー・プルーデンス。交錯する6人の人生模様を、サイケデリックな映像表現とともに、ビートルズの楽曲に載せて描いたミュージカル青春映画です。ラブ&ピースってね。

ビート文学だの、アメリカン・ニューシネマだの、ロックミュージックだのを色々摂取してきた私は、当時のアメリカの政治や風俗をある程度は知っていますが、知っているだけで判ってはいません。だからこの映画が描くアメリカの空気にリアリティがあるのか判断できないのですが、ただ、私にもかつてはくだらない仲間がいて、そんな連中と馬鹿げたことをやり、ふとしたことに一喜一憂する無駄に繊細だった若かりし頃があって、この映画はその頃のことをリアルに思い出させてくれました。だから恥ずかしいような、くすぐったいような気分がしました。

歌は役者さんが台詞と同様、実際に生で唄っているのを収録したそうですが、かなり上手いです。演技しながら、時には走り回りながらですよ。しかもほとんど新人さんらしいじゃないですか。世界中の老いも若きも、誰もが知っているようなスタンダードナンバーを、一本の映画にできるほど量産したバンドがいたということからして凄いのに、全くアメリカやイギリスって国はいったいどうなってんだ。日本では絶対……とまでは言いませんが、少なくともまだ数十年は作れないタイプの映画です。このレベルの差はどこから来るんでしょうか。

劇中で使われているビートルズの楽曲数は、映画関係の大手サイトによると33曲となっています。しかしエンドロールのリストを数えると34曲です。おそらくラストで“All You Need is Love”に一瞬だけ被さる“She Loves You”をカウントするかしないかの違いだと思われますが、実はここ、音楽とシナリオとがばっちり噛み合った、この映画の中でも屈指のウマイ箇所ですので、聞き逃してはいけません。


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インクレディブル・ハルク

インクレディブル・ハルク (エドワード・ノートン、リブ・タイラー 出演)

監督:ルイ・レテリエ
2008年 アメリカ

えーっと、とにかくハルクなんですけども。

主人公が何故強大な力を得るに至ったか、そして何故軍部に狙われるのか、その辺りの経緯は冒頭でスタッフロールをバックにざっと説明されるのですが、原作ともドラマシリーズとも微妙に違っているようです。とはいえ大筋に影響はありません。

今度のハルクは“怪物になってしまった男の悲哀”がほとんど描かれません。とにかく怒りを爆発させるハルクの暴れっぷりを堪能するための映画です。心理描写とかドラマ性とかそんなのいらねぇから圧倒的なハルクのパワーを見せつけてくれりゃぁいいんだよ!、という人達には面白い映画でしょう。逆に暴れていないシーンが邪魔かも。

ハルクのCGは、いかにもCGCGしているCGでありました。体躯の大きさにもバラつきがあったように感じました。背景や他の登場人物あるいは乗り物などとの対比によって、やたら大きいように見えたかと思うと、意外とそうでもないように見えたり。

あとは、リブ・タイラーが相変わらず綺麗だったことと、ティム・ロスの目が相変わらずドロンとしていたことくらいでしょうか、覚えているのは。っつーかどーでもいーんだよ、こんなくだらねぇ映画。あ、正直な気持ちを言ってしまいました。

そういえばラストで『アイアンマン』に繋がるお遊びシーンが観られました。いやホントにどーでもいーんだよ、こんなくだ(略)。疲れた。


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インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

インディ・ジョーンズ/ クリスタル・スカルの王国 スペシャルコレクターズ・エディション 【2枚組】 [DVD]

監督:スティーヴン・スピルバーグ
2008年 アメリカ

子供の頃、他に観たかった映画が混んでいたので、予備知識もないまま仕方なく観た映画がレイダースでした。インディの風貌から、これは西部劇?と思い落胆したのも束の間、どんどん画面に引き込まれ、観終わる頃にはすっかり度肝を抜かれていました。

そんな出会い方だったせいもあり、このシリーズには思い入れが強いのです。当時購入したパンフレットやサントラのLPは今も所持していますし、VHSはそれこそ擦り切れるまで何度も見返しました。ですから今度の新作も、まあレイダースには及ばないだろうとは思いましたが、魔宮の伝説よりマシならよしとしようと思っていたのですが。

いざ蓋を開けてみますと、なんですか、このトンデモ映画は。まさかよりにもよってインテリジェント・デザイン論を持ってくるとは。そうか、あの知的生命体こそがスパゲッティ・モンスターであるというわけですね。ならば納得! バカ!

娯楽映画において、ある程度のご都合主義は仕方のないことだと私は思います。しかし物事には限度がある。今回のインディは考古学に基づいた謎解きをほとんどしておらず、目を引いたのは、老齢にもかかわらず突出した、超人的な運動能力と体力による、場当たり的な危機回避ばかりでした。これはなんていうダイハードですか?

批判ばかりもなんなので、少しは良いところも書きます。ケイト・ブランシェットが綺麗。カレン・アレンが元気そう。以上。


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ウイザード

監督:ヴィンセント・ウォード
1988年 ニュージーランド、オーストラリア

舞台は黒死病が蔓延しつつある中世のヨーロッパ。とある山村で暮らす予知能力のある少年とその仲間が、黒死病の魔の手から村人達を救うため、夢の啓示に従って深い洞穴を突き進むと、辿り着いたのはなんと現代。そこにある教会に十字架を捧げることで救いが得られると考える少年達の、奇想天外な冒険ファンタジーでございましたとさ。

この映画はカンヌでパルム・ドールを獲得しています。フラッシュバックで差し挟まれる少年の夢の一部が、ラストの展開へと繋がる巧みな伏線となっているところや、過去と現在を自在に行き来する幻想的な映像表現は、確かに巧いなと思わせるのですが、どうにも荒唐無稽な筋運びには少々唖然としてしまい、のめり込むことも出来ずにラストへと至ってしまいました。そもそもなぜ現代へタイムスリップする必要があったのか、私は判りませんでした。判る人がいたら教えて下さい。いや、やっぱりいいです。良くも悪くも変な映画を観ちゃったなぁ。


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アトミック・カフェ

アトミック・カフェ

監督:ケヴィン・ラファティ、ジェーン・ローダー、ピアース・ラファティ
1982年 アメリカ

核にまつわるあらゆる映像――特にアメリカ政府による核実験の模様や、国民への啓蒙を目的としたもの――を切り張りして編集、そこにポップな音楽をのせた、ドキュメンタリー作品。

背景には反核・反戦思想があるのでしょうが、それよりもプロパガンダの馬鹿馬鹿しさと危うさを揶揄することが目的のようでした。確かにアメリカ政府による啓蒙映画の内容は、今考えれば笑ってしまうほどお粗末です。『風が吹くとき』というアニメーション映画に登場する老夫婦が、政府の配布したパンフレットどおり、白い服を着ていれば放射線の影響を受けないと信じて実行するシーンがありましたが(これはイギリス映画でした)、実際にアメリカ政府が流布した核から身を守る方法というのが、もうあまりに馬鹿馬鹿しい。「ピカッときたら、サッと隠れる!」 とにかく物陰に隠れれば安全なのだそうです。耳寄りな情報を聞けて良かったですね皆さん。

しかしこんなことが、たかだか50年前に行なわれていたのだと思うと、ちょっと笑えない。更に、日本に核を撃ち込まなければ戦争は長引いて、結果的により多くの犠牲者が出ただろうという説を唱える連中が、今もアメリカに少なからずいることを考えると、彼らのアホさ加減は50年前と大差ないのではないかとさえ思えるのでした。


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終わりで始まりの4日間

終わりで始まりの4日間 [DVD]

監督:ザック・ブラフ
2004年 アメリカ

主人公は無表情で無感動な26歳の売れない役者だ。ある日、母の訃報を聞き父のいる実家に戻った彼は、そこで過ごす4日の間に、同級生やエキセントリックな女との交流を通して、人間らしい感情を取り戻してゆく。

主人公の性格が形作られた背景には、幼い頃に母が負った怪我と、精神科医である父の影響がある。詳細は省くが、それらはとても深刻なものだ。だから僅か4日で主人公が変わるのは早急に思えるのだが、まぁそこは100歩譲るとして、不思議なのはラストの蛇足的な展開だ。この期に及んでまだグダグダ言うのか、オマエは変わりたいのか変わりたくないのかどっちだ、と思ってしまった。

エキセントリックな女を演じたナタリー・ポートマンは良かった。まあベラベラとあることないことよく喋る。しかし嫌味はなく、黙って話を聞いてみたいと思わせる魅力があった。ただ、彼女がテンカン持ちであるという設定には必要性を感じない。ある種の傷を抱える者同士、だからこそ彼女と主人公は互いに惹かれあったということなのだろうが、劇中で有効活用されることはなかった。あれでは彼女がテンカン持ちゆえにエキセントリックだと言っているように見える。


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アメリカン・グラフィティ

アメリカン・グラフィティ [DVD]

監督:ジョージ・ルーカス
1973年 アメリカ

'60年代のアメリカを舞台に、ハイスクールを卒業した若者達の一夜を描く青春映画。

描かれるエピソードはどれも、今時の世の中ではちょっと現実味が感じられないかもしれない。特に、暴走族がケチな万引きだけで済むはずもなく、未成年者が酒を手に入れるのも容易で、異性との性交渉など特別なことではない、今の日本においては。個人的にも、女の子のケツを追い掛け回したり車にのめりこんだりという経験が私にはないため、細かなところで理解できない部分があるにはある。

それでもシンパシーを得られるのは、登場人物が抱えている何か漠然とした不安や焦燥、虚無感といったものを、10代だった頃の私も確かに抱えていたし、おそらくそれはいつの世の若者にとっても、普遍的で重大な問題だからなのだろう。この作品が青春映画の名作として名高いのは、そういうところに理由があるように改めて思う。

DJウルフマン・ジャックのラジオでのパフォーマンスが良いアクセントになっている。私がこの映画で一番好きなのは、実はそこだったりするのでした。


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エイプリルの七面鳥

エイプリルの七面鳥 [DVD]

監督:ピーター・ヘッジズ
2003年 アメリカ

家族との折り合いが悪く、特に母親との間に相克を抱えているヒロインのエイプリルが、ある感謝祭の日に七面鳥を焼いて、恋人とともに暮らす安アパートへ家族を招こうと奔走する姿を描いた映画です。

ガーリッシュで可愛らしいパッケージを見て二の足を踏んでしまう野郎もいるかと思います。しかし中身は、なかなかどうして、しっかりとした家族再生の物語でした。

僅か80分の小品ですが、エイプリルを含め登場人物の特徴・置かれている状況が、決して説明臭くならずに判り易く表現されていました。感謝祭の一日(正確には半日未満)という短い時間を切り取っているにもかかわらず、台詞の巧さと写真というアイテムの使い方の巧さが、家族の歴史までも浮かび上がらせるのです。

奇をてらうでもなく類型に陥るでもない、現実的ではあるけれど象徴的で一癖持った人物設定は、彼らがあたかも実在しているかのような生々しい印象を与えます。その点はヘッジズ監督が原作を書いた映画『ギルバート・グレイプ』にも通じるものがありますね。

エイプリルは自由奔放なパンクスです。おそらく料理なんて普段は全くしていない。慣れない手つきながら懸命に食材と格闘するものの、どうにもやり方が雑で、あんなもの私なら食いたかない。それは彼女の母親も同じで、エイプリルの元へ向かう道中、いかにして彼女の料理を上手いこと飲み込まずに吐き出すか、あらかじめ腹を満たしておこうか、そんなことばかりシニカルなジョークを交えて話します。しかしそんな母親が、家族の中で一番緊張していて、一番エイプリルのことを気にかけているんだな。そして2人は再会するわけだけど……、ここでもまた写真が重要なポイントとなります。こりゃホントに巧い演出ですよ。ドラマティックに盛り立てて泣かせようとするわけではないのに、というかむしろ感動の再会をあっさり流しているのに、とても心に残ります。

不味そうだったはずの七面鳥が、最後には妙に温かく見えました。


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黄金狂時代

黄金狂時代 コレクターズ・エディション

監督:チャールズ・チャップリン
1925年 アメリカ

ライムライト、街の灯、モダン・タイムス、独裁者、犬の生活、キッド……。どれもチャップリン映画の名作です。大好きだ。それにもう一本、どうしても外せないのが、この黄金狂時代です。なぜならこの作品には、チャップリン映画をチャップリン映画足らしめるほぼ全ての要素が、まんべんなく含まれているからダ。笑いはもちろん、人間ドラマも、ロマンスも、そして社会風刺も。

名場面だって多いのです。靴を食うシーン、パンのダンス、犬に振り回されてのダンス、傾いた山小屋での一件など。通して観たことはないが、その場面なら知っている、という人も少なからずいるでしょう。

確かに、やってることは古臭いですよ、古典ですから。しかし公開から80年以上経過した今でも名作として語り継がれている作品ですから、せめて映画好きを自負する人だけでも、後学のために観ておくべきだと思うのですよ。そこで今回は自称映画好きのカノジョに薦めて一緒に観始めたのですが、ものの30分も経たないうちにカノジョの挙動は怪しくなり、数分のちには眠りこけていました。そして映画がフィナーレを迎えたあと、のっそり起き出したカノジョにどういうことかと詰問すると、言うに事欠いて、「つまらなかったんだもの」などとぬかしやがった。何を言い出すのかと思えば、なにを言い出すんだ、このビッチめ。


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