スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


- | - | -

レイジング・ブル

レイジング・ブル 新生アルティメット・エディション

監督:マーティン・スコセッシ
1980年 アメリカ

あるボクサーの半生を描いた映画。モデルとなったのは実在のミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタ。

なかなかエキセントリックな性質の持ち主である彼が、いかにして頂点に昇りつめ、そして堕ちていったのか。成功すればするほど疑心暗鬼に捉われて自ら破滅してゆく様は、まぁ自業自得だろうと思いつつも憐れみを誘います。いただけないのはボクシングにリアリティを感じないところ。映像効果で迫力だけは充分に担保されていますが、あれではスポーツじゃなく喧嘩です。

実はこの映画で最も輝いているのは、主人公の弟役を演じたジョー・ペシです。主演のデ・ニーロを喰ってしまっています。『グッドフェローズ』でもそうでしたが、彼のキレ芸は天下一品なのです。まさに狂犬。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

リトル・チルドレン

リトル・チルドレン

監督:トッド・フィールド
2006年 アメリカ

大人になりきれない大人たちの、人生の悲喜こもごもを綴った映画です。

自分の人生を受け入れられず、もっと別の生き方があるのではないかと夢見てしまう人達の気持ちに、共感できるか否かで観方が違ってきそうです。その点について、私は共感できませんでした。今の人生は今の自分があるからこそ成り立っているのであって、本当に別の生き方を望むなら、まず自分自身が変るしかありません。そのためには勉強するなりなんなり、今できることを地道に続けるしかないのです。それをせずして夢ばかり見ているのだから、どれだけ暇なんだと。オマエがオマエである限り別の生き方なんかねぇんでございます。

なんてことは、わざわざ私が言わなくても、この映画が示しています。つまり夢は夢として、あえなく終わるのです。だからリトル・チルドレンに共感できなかった私にも、人生の苦さを手厳しく描いたものとして面白い映画でした。さらにこの映画が厳しいのは、性犯罪で服役して戻ってきた男のエピソードを織り交ぜたところです。彼も大人になりきれない大人なのですが、他のリトル・チルドレンと決定的に違うのは、自分の力で自分を変えようにも、日常の努力次第でどうこうできるレベルではないという点です。それこそ去勢するか、脳を弄くるしかありません。ミーガン法により個人情報を公開されたことから、近隣の住人にバッシングを受ける彼は言いたかったでしょう、「じゃあどうすりゃいいんだよ!」と。自分ではどうにも出来ない理由により、ありのままの自分でいられない苦しみは、計り知れないものがありましょう。私はむしろ、彼に感情移入しました。性犯罪者に感情移入するのもどうかとは思いますが、彼の苦しみに比べれば他のリトル・チルドレンの悩みなど、取るに足らないスイーツなものでしかありません。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ライアー

ライアー

監督:ジョナス・ペイト、ジョシュ・ペイト
1997年 アメリカ

娼婦殺人事件の容疑でポリグラフにかけられる男。担当刑事の二人はこれで暴けない嘘などないとでも言うように自信満々のご様子です。しかし容疑者が刑事のプライベートを詮索し始めたところ、なんと刑事の片割れが事件当夜殺された娼婦と会っていたことが判明します。それで形勢は一気に逆転、今度は刑事がポリグラフにかかり自らの無実を証明するはめになるのでした。

ネタバレすると何の意味も無い映画なので詳しくは書きませんが、まあ一応、帳尻は合っています。どうして真犯人らはあんな回りくどいことをしたのかっつーと、アメリカでは事情聴取の様子が録画されるなどして完全に記録されてしまうので、それを逆手に取ったということなのでしょう。それにしても無理があるけど。ティム・ロスのどろんとした目つきだけが印象的でした。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ローズ・イン・タイドランド

ローズ・イン・タイドランド [DVD]

監督:テリー・ギリアム
2005年 イギリス、カナダ

同監督の前作『ブラザーズ・グリム』は、それなりにギリアムらしさが垣間見えたとはいえ凡庸なファンタジーだったので、私としてはがっかりでしたが、やあ、うって変わってこの映画は本当に良いのです。これぞギリアムの真骨頂でしょ。

端的に言えば、あまりにも悲惨な境遇にある少女の妄想を描いた映画。少女は現実逃避しているに過ぎないのだけど、二律背反を多分に含んだ彼女の世界観は現実的でもある。実際この世は、彼女が狂気と紙一重の想像力というフィルタを通して見ているように、グロテスクだけど美しく、残忍だけど優しく、シリアスだけどジョークだから。

彼女には現実が見えているからこそ、そこから逃げることもできた。見えていなければ、ただ現実の中に埋没してゆくだけだったろう。だからこの映画は、楽しくもあり悲しくもあるのです。想像力がもたらす救いと、その裏側にある、現実と折り合いをつけるためにそうぜざるを得ない救われなさを、同時に描いた映画なのですヨ。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ライフ・アクアティック

ライフ・アクアティック [DVD]

監督:ウェス・アンダーソン
2005年 アメリカ

海洋学者であり記録映画監督でもあるズィスー。幻の巨大魚“ジャガーザメ”にクルーの一人を殺された彼はリベンジのために、また、学会からも映画界からも相手にされていない現状を打破するためもあって、ジャガーザメを追う冒険に出るのであった。って話。

奇妙な海洋生物との出会いや海賊の襲撃など、冒険ものとしての要素もあるけれど、メインは自己中心的な性格の主人公が家族やクルーとの絆を取り戻すところ。

よく言えば静かな笑い、悪く言えば笑えないユーモアが散りばめられています。こういうの一番困るな。それがユーモアだということは判る、が、笑えない、ってのは。ただ、コメディだと思わなければ結構いけます。「蟻の巣を観察しているような」と監督が言っているように、それぞれの船室にいるクルーたちの様子を船の断面から撮影する絵は面白いし、良い意味でチープさを残しつつもやたらと美しい映像には魅力を感じました。不思議で、ちょっと可愛らしくて、ポップな映画でありました。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

リトル・ミス・サンシャイン

リトル・ミス・サンシャイン [DVD]

監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
2006年 アメリカ

フーヴァー家は6人家族。パパのリチャードは何でも勝ち組と負け組に二分できると信じて疑わず敗者を否定する単純バカ。グランパはヘロイン中毒で年甲斐もなくワルを気取る不良ジジイ。ドウェーンはパイロット養成学校に合格するまで“願掛け”のために喋らないと家族に説明しているが実は父の方針に反発して口を閉ざした悩める少年。オリーブは子供向けミス・コンテストの“リトル・ミス・サンシャイン”で優勝することを夢見るもどう考えたってその容貌ではアレだろうと思われる幼い少女。伯父フランクは“彼”を奪われたことで人生の歯車が狂い自殺未遂をやらかしたため一家に引き取られたゲイの元教授。家族バラバラ、みんな好き勝手。そんな彼らを取りまとめようと日々苦闘するのが隠れタバコを唯一の気休めとしているらしいママのシェリルでこの家一番の常識人。

無謀にもミスコンに出場したいと熱望するオリーブの願いを叶えるべく、ミニバスでアリゾナの片田舎からカリフォルニアに向かう一行は、道中で様々な問題にぶち当たりながらも何とか解決し、その度に家族の結束は強まっていくのでした。ちょっとエキセントリックな家族が再生する様を描いたロードムービーってわけです。

山場はミスコン会場。出場する女の子たちはみな、おてもやんばりの厚化粧と、キャバ嬢ばりのカーリー・ヘアと、チンドン屋ばりのキンキラ衣装。「変態の集まりだ。こんなものにオリーブを出場させちゃいけない」とは兄ドウェーンの弁。確かに。しかしママは言う。「彼女の意思なのよ」と。それも判る。そしていよいよ本番へ。

オリーブはとても可愛い女の子です。でもそれは、あくまで子供らしい可愛さであって、ジョンベネちゃんがゴロゴロいるような会場では異質。ストレートのロング・ヘアを束ね、近所のスーパーで買ったか、もしくは手作りの地味な衣装を着て、ぽっこりとお腹の出た完璧な幼児体型を備えた彼女は、“可愛い”の意味が違う。おまけに彼女が披露するダンスは爺さん仕込み。あの素行不良の爺さんですから、教えられるダンスと言えばストリッパーのソレくらいしかないのです。いや、ストリッパーのダンスは私も好きだが、幼女が躍るには色々と問題がある。案の定、観客は一人去り二人去り、おまけに審査員まで顔をしかめて去っていく。さてどうしたものか、というところで……。あとは本編を観るが良いです。予定調和な感じがしないでもないけれど、良いんじゃないかな、ロードムービーってのは過程を楽しむものだから。

コンテスト後、家族はまたミニバスに乗り込んで去っていく。押し掛けしなければならないそのオンボロを、皆で押して。家族の結束を象徴する良いシーンでした。

アメリカ映画と言うとハリウッド映画を連想しがちですが、インディペンデント系のこういう映画こそ面白いと思うね。まあ、インディペンデント系はハズレも多いけれど、最大公約数的な作風で無難な線を狙うハリウッド製より、当たるとデカイ。グランパが言ってましたよ、「本当の敗者は負けることを恐れて挑戦すらしないヤツのことだ」と。良い映画でした。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ラストキング・オブ・スコットランド

ラストキング・オブ・スコットランド

監督:ケヴィン・マクドナルド
2006年 アメリカ、イギリス

30万人もの国民を虐殺したと言われるウガンダの独裁者、アミン元大統領と、彼に仕えることになったスコットランド人の若者の物語。

フォレスト・ウィテカー演じるアミンは、無茶苦茶な論理で人を掌握し、いつ切れるか判らない不穏さを常に湛えていながらも、しかし自分は暗殺に怯える小心者。彼の演技は素晴らしく良い。それだけで観る価値はあるんじゃないかな。ていうか、それしか観どころがない。

同監督の作品『運命を分けたザイル』もそうだったんだが、中途半端なんだ、この人の作る映画は。娯楽にも社会派ドラマにも徹しきれないの。アミンは独裁者にありがちな“被害妄想に基づく偏執狂的な人物”として描かれており、何かで観たり読んだりしてとっくに知っている程度のもの。ウィテカーの演技に魅せられはしたが、アミンがどんな境遇で生きてきたのか、それがどうしてあのような思想を持つに至らしめたのか、そこのところが、つまりアミンという人間が、全く描けていない。結局やってることは、頭のおかしなモンスターに脅され軟禁された男が最後には逃げおおせるという、例えば『ミザリー』などとほとんど代わり映えのしない、極普通の“お化け屋敷脱出サスペンス”なんだな。だったらアミンじゃなくて良いじゃねぇか。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ロンゲスト・ヤード

ロンゲスト・ヤード コレターズ・エディション

監督:ピーター・シーガル
2005年 アメリカ

主人公のポール・クルーはアメリカン・フットボールの元名選手。八百長がばれて廃業して以来、自堕落な生活を送るクルーは、執行猶予期間中に更なる警察沙汰を起こしたことから、刑務官による囚人への虐待が横行するとんでもない刑務所に収監され、刑務官アメフトチームの対戦相手となる囚人チームを組むよう、刑務所長から強要されるのであった――。

男臭くて暑苦しいスポ根映画です。一筋縄では行かない個性的な荒くれ者の面々が、刑務官の卑劣な妨害工作にもめげず、適材適所でそれぞれの特性を発揮しながら次第に結束してゆく様を、コメディ要素たっぷりに、ほんの僅か感動的に描いています。時々脱線したり、粗があるのはご愛嬌。クライマックスとなる試合シーンは迫力がある上に、そこへきてもう一波乱、人間関係のゴタゴタが用意されているのが良い感じ。試合後のプラスアルファも痛快で、私は最後まで楽しめました。アメフトのルールに疎い人が見てもたぶん大丈夫な映画ですが、基本ルールだけでも知っていれば、面白味は倍加するかもしれません。

ちなみに、この映画は1974年に製作された同タイトル映画のリメイクです。オリジナルで主人公を演じたバート・レイノルズが、この映画では老コーチを演じています。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

リンダリンダリンダ

リンダリンダリンダ

監督:山下敦弘
2005年 日本

内部分裂した女子高生バンドが韓国留学生を新メンバーとして迎え入れ学際のライブに臨むという物語。ひた向きさや頑張りは見られない。やる気なさげで本音がどこにあるのか判らない、ダラダラしていて空かした彼女らの動機は最後まで不明瞭。本気を見せるのが怖いのか、はたまた格好悪いと思っているのか。いや、本気なんて初めからないだろう。そもそもバンドである必要も音楽である必要もない。特にしたいことなんて、彼女らにはない。何も無い。

かといって何もしないのは暇すぎるし、暇を潰す手段としてたまたま身近なのがバンドだった、というのが実情だろう。それはラストのライブで盛り上がる他の生徒たちも同じこと。生徒たちは音楽を楽しみたいのではなく、雨宿りをしに体育館へ集まり、ボール遊びをしたり駄弁っていたりするうちに、音楽が聴こえてきたから遮二無二盛り上るだけだった。下手糞で熱のない単なる音の塊にさえ声援を送るしかない彼らは哀れだ。成人式で馬鹿をやる連中と本質的には変わらないと私は思った。

ぬるま湯に浸かるような青春を過ごす高校生の空虚感や、実体がどこにあるのか判らないような浮遊感は、何かに打ち込む青春を過ごさなかった人達にとっては、リアリティをもって懐古や悔恨に酔う手助けになるかもしれないが、私は冷ややかに見た。これほどふやけちゃいなかったからだ。ただ、“何も無い”ということが“ある”映画は嫌いじゃない。

韓国留学生のソンさんには一定のシンパシーを覚えた。おそらく何にも属さず、友達もおらず、学校からも社会からも浮いた存在で、そういう意味では恵まれない境遇の彼女だけが、目に見えてバンドにのめり込む。それは彼女にとってバンドが唯一の“居場所”になったからだが、本番土壇場でも相変わらず浮ついて音楽に没頭できない他のメンバーを見ていると、日本の若者に対する監督の視線は、暖かくも手厳しいと感じた。練習のため真夜中の部室に集まった彼女らが、「こういう時っていつまでも忘れないんだよね」などと、既に青春を駆け抜けた年寄りのように達観する場面にも、愛情と憐憫が同居している気がした。もしかしたらそれは、監督自身にも向けられているのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。知らん。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)

ラッキーナンバー7

スマイルBEST ラッキーナンバー7 DTSエディション [DVD]

監督:ポール・マクギガン
2006年 アメリカ

不運続きの男が家に居られなくなり友人宅を訪ねたところ友人は不在で、代わりにどこの誰だか判らないチンピラの二人組みが現れたと思うと借金返済を迫られ、いや人違いだからと釈明するも聞き入れられず拉致されて、あれよあれよと言う間にマフィアの抗争に巻き込まれるが実は――というどんでん返しもの。

なんなんでしょうか、このカタルシスの無さは。一つのヒントが与えられたら、それをきっかけに、複数張り巡らされた伏線が一挙に収斂してゆくという、ぷよぷよの連鎖みたいな爽快感がまるでない。種明かしに時間がかかり過ぎるわりには意外性もない。中身が面白くないとスタイリッシュな演出も寒々しい。強いて見所を言えば、ルーシー・リューの可愛さくらいか。これはホントに可愛いです。


ら行 | comments(0) | trackbacks(0)