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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版

監督:セルジオ・レオーネ
1984年 アメリカ

仲間を裏切り街を追われて数十年。ひっそり暮らしていたところに不審な手紙が舞い込んだことから帰郷したギャングの半生を、現在と回想を織り交ぜながら描いた映画。んー。長くて疲れる。4時間近い長尺です。

一般的には名作と言われる類なのかもしれませんが、私はどうもこのノリについていけません。料理で言うなら美味というより珍味でしょこれ。

良く言えば丁寧、悪く言えば冗長すぎるんだな。まあ、人の半生を描こうとすれば、これくらい長くなるのは仕方ないのかもしれないし、丁寧さがこの映画の味なのだろうけど、私には無駄が多いと感じる。そこまで何もかもお膳立てしてくれなくていいよ、こっちは勝手に行間読むから、さ。と思う。あと、音楽がね、しつこい。曲自体は良いんです。でも同じ曲をことあるごとに何度も聞かされては堪らない。だんだん笑けてくる。子供が撃たれるスローモーションの場面は良い画だったなあ。あそこだけ好きだ。

劇場公開版はこの完全版より30分ほど短いんですが、監督の意に反してメタメタに編集されており、評判も悪いです。どうせ観るなら完全版のほうがマシかも。


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ワールド・トレード・センター

ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

監督:オリヴァー・ストーン
2006年 アメリカ

2001年9月11日。テロによって崩落した世界貿易センタービル内に閉じ込められた二人の警官が、互いに励ましあいながら生き延びようとする姿と、彼らの生還を信じて待つ家族の一日を描いた、実話に基づく映画。

惨状を目撃した警官の一人が、「世界の終わりかも」なんて言う場面がありまして、確かに、そのように感じてしまうのは無理もないだろうとは思いますけれども、もしも世界の終わりが来るのだとしたら、それを引き起こすのはおそらく、あんたたちアメリカ人なんじゃないのかと、突っ込みを入れたくなっちまいました。「私たちはみんな被害者なのよ」なんて台詞にも、ちょっと待てと言いたくなったネ。一事が万事、その調子。

つまり、この映画には自己批判が欠けているわけ。監督のオリヴァー・ストーンはベトナム三部作で、かの戦争でアメリカがもたらした悪の部分をも描いたけれど、この映画にはそれがなかった。被害者の方々はお気の毒だし、生き残った方々は不幸中の幸いでした、としか言いようのない、ヒューマニズムに訴えただけの、ある意味ずるい映画です。

ただね。仕方がないとも思うのですヨ。9.11から僅か5年しか経っていない今の段階で、あのテロが何であったのかを冷静に総括して見せろと言うのは、少々酷じゃなかろうか。あんなふうに9.11を映画でストレートに取り上げることが、ようやくできるようになったというだけでも、良しとするしかないんじゃないの。そういうわけなので、ここは普通に、人間の生への執着と家族や友人の愛情という普遍的なテーマを、9.11の舞台設定を借りて表現した映画として受け止めることにしました。

9.11について、もっと深いところまで言及する映画は、いずれ出てくるでしょう。オイラは反米めいた言葉を吐く事が度々ありますが、それは裏を返せば、アメリカの善意にまだ期待しているということでもあります。頑張ってくれよ頼むから。


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惑星ソラリス

惑星ソラリス

監督:アンドレイ・タルコフスキー
1972年 ソ連

惑星ソラリスの上空に浮かぶ宇宙ステーションで異常事態が発生したため、科学者のクリスが調査をしにゆくと、そこには10年以上前に死んだ妻のハリーが。それはソラリスが彼の記憶を具現化したものだった――。

この映画を観ると、所詮は人間なんて土くれでできた泥人形、ゴーレムと違わないのではないか、ハリーと人間との間に決定的な差があるだろうか、それは記憶の有無だろうか、しかし記憶とは受動的に作られたものであり、そんなものでどうにか担保されるアイデンティティというものに固執する人間て、いったいなんなのかと、そんなことを考えてしまって気が滅入ります。

言わずと知れたSF映画の名作でありますが、そこらのホラー映画よりずっと怖いので、正直あまり観たくありませんでした。また10年ほど封印したい気分です。


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わが街

わが街

監督:ローレンス・カスダン
1991年 アメリカ

ロスアンゼルスで暮らす人々の群像劇。なんだかとても取りとめがなく、それぞれの日常の断片を羅列しましたという感じ。

登場人物達に共通する属性はロスに住んでいるということくらいで、基本的には赤の他人。なので、係わり合いが希薄なのは当然だしリアリティがあるとも言えるけれど、それはそれで縁であり縁は奇跡であるみたいに言われても、そりゃ偶然だよとしか思えませんでした。これが物語として成立するなら、全てのご近所付き合いは壮大なドラマに加工することができるだろうし、そんなものはテレビドラマでやればいいです。やるがいいです。

あと、始終かかっている音楽にうんざり。アメリカ映画の悪い癖です。アメリカ人は沈黙を恐れているんじゃないかとさえ思います。ポルノですらBGM流れっぱなしだもんな。最近では日本映画も悪い意味でアメリカナイズされてきていますけど。

それから、邦題の『わが街』ってのはいただけません。おそらくラストシーンを活かそうという目論みなんでしょうが、そんな配慮は不必要であるばかりか、かえってあざとさを生んでしまっており、逆効果です。


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ワン・ツー・スリー

ワン・ツー・スリー

監督:ビリー・ワイルダー
1961年 アメリカ

コカ・コーラ社の西ドイツ支社長である主人公は、アメリカ本社の重役より、「欧州旅行中の娘の面倒を見るように」と仰せつかる。しかしその娘というのが奔放で、よりによってベルリンで知り合った共産党員の青年と電撃的に結婚してしまう。主人公は慌てて二人の仲を引き裂こうと画策するが――。

会話の妙が光るスラップスティック・コメディ。特に速射砲の如く喋り捲るジェームズ・キャグニーは凄まじい。

ただ、ジョークは当時の世界情勢(東西の対立、冷戦)を思い切り反映しているので、ある程度の知識がないと笑いは半減すると思う。少なくとも資本主義と共産主義の基本理念や成り立ちくらいは知っておきたいところ。マルクス・レーニン・スターリン・フルシチョフ・トロツキーと聞いて、何となくでも説明できれば尚良しか。全く何が何だか分からなければ、前半で退屈するかも。

それでも後半に入ってしまえば、知識が無くても勢いだけで何とかいける。多人数が、それこそドタバタと入れ代わり立ち代わりしつつ、最後には全ての伏線(台詞やアイテムだけでなくタイトルさえも)が一点に収束してゆく様に、ワイルダーの真骨頂を観る思い。


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笑の大学

笑の大学 スタンダード・エディション

監督:星護
2004年 日本

舞台版は徹底した喜劇だったはずだ。それでも検閲官と作家との間に生まれる絆や、二人が“共同作業”によって最高の本を書き上げた時の達成感が、感動を呼び起こしはしたし、国家の圧力によって書きたい本も書けない暗黒の時代の悲しさや愚かさ、そして怒りが、笑いの向こうに透けて見えた。これ見よがしではなく、上品に。

それがどうだ、この映画版の体たらくは。

くしくも劇中で作家が言っているじゃないか。「私は私のやり方で(つまり笑いで)戦う」と。しかしこの映画は、笑いで戦ってなんかいない。特に終盤は酷いもので、笑いに昇華することを放棄し、メッセージをそのまま垂れ流すことに終始している。笑いというものの強みを、笑いで表現するのではなく、説明してしまっている。この矛盾はいったいなんだ。


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