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サンセット大通り

サンセット大通り

監督:ビリー・ワイルダー
1950年 アメリカ

貧窮に喘ぐ落ち目の脚本家、ジョーは、車のローンを払えずにいた。払えないなら車を返せと言い追いかけてくる自動車会社の男をやり過ごすため、ジョーは通りがかりの邸宅に逃げ込む。そこには無声映画時代の大女優、ノーマが住んでいた。ノーマはジョーが脚本家だと知るや、自分が主演の大作を書き上げれば高額の報酬を約束すると言う。そうしてジョーと、ノーマと、ノーマの執事との三人の生活が始まった――。

ノーマを演じたグロリア・スワンソンは波乱に満ちた人生を送った人で、女優としても女性としても、何度と無く浮き沈みを体験したようです。いつまでも過去の栄華を引き摺るノーマは、グロリア・スワンソン自身の陰の部分だったのかもしれません。

初めのうちこそ、高慢ちきな彼女に腹立たしさと恐ろしさを感じましたが、再びスクリーンに返り咲くことができると信じ、顔のシワや身体の弛みをなくそうと涙ぐましい努力をする彼女は、あまりに健気で哀れです。現実認識ができず、若いジョーに愛憎を寄せて、最後は殺してしまうノーマなのですが(殺された後から物語が始まるという手法なので御安心を)、なんだか気の毒で。むしろいい加減なジョーに言いたい。ま、しょうがねえよ、と。

ところで、漫画『ブラック・ジャック』に、「あるスターの死」という、これと似た話しがあります。すっかり老いた元大女優が手術(というか、全身総とっかえの大工事)によって、刹那の美しさを取り戻し、クレオパトラを演じるって話し。死んでも女優でありたいと願う婆さんの執念が哀しく、人間の尊厳とは何かを考えさせてくれる深みを持った物語でありました。もしかしたら手塚治虫氏は、この映画を観たのかな。


さ行 | comments(2) | trackbacks(0)

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コメント

そうでしたか。情報ありがとうございます。
『悲愁』も観てみたいですが、ワイルダー作品に限らず古い映画を置くレンタル店がとても少なく困っておりますです。
カイバ | 2006/08/25 6:29 AM
> もしかしたら手塚治虫氏は、この映画を観たのかな

「あるスターの死」の女優は、マリリン・スワンソンですから間違いありません。

『手塚治虫完全解体新書』で池田啓晶氏は、手塚とワイルダーの作品を比較しています。

「あるスターの死」に近いのはむしろ「悲愁」(1979)の方かもしれません。
まいじょ | 2006/08/25 1:00 AM








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