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キャリア・ガールズ

キャリア・ガールズ

監督:マイク・リー
1997年 アメリカ

二人の女性の再会と友情を軸に、人の変化や成長を描いた映画です。タイトルから女の自立を描いたものかと思ったら違っており、この映画でいうキャリアとは人生経験そのもので、フェミニズムとは無関係でした。

アニーは内向的で自信が無く、いつも下を向き、か細い声で話していた。アレルギー体質で顔に出来たアトピーが劣等感の主要因らしいが、8歳の頃に両親が離婚したことも影響したようだ。また、はっきりと言及されるわけではないけれど、彼女が語る悪夢や妄想から推測するに、父親から性的虐待を受けた可能性がある。

一方ハンナは攻撃的でヒステリックだった。不謹慎なジョークで場を凍り付かせるのを得意とした。いつも鎧を身に纏っているような女で、他人の立ち入りを拒絶した。それもこれも、アルコール依存症の母親を一人で支えてきた経験が、過度な自立心を養ってしまったからだ。偶然にも、彼女の両親も8歳の頃に離婚している。

数年ぶりに再会した二人は“大人”になっていた。それぞれに違った人生があり、仕事がある。相応に歳をとり、多少くたびれた感もある。アニーは人の目を見て話せるようになり、ハンナは角が取れて丸くなった。初めこそぎこちない二人だが、大学時代に衝突しながらも作り上げた強固な友情は、二人の距離を容易に縮める。

フラッシュバックを巧みに操った現在と過去の往来が判り易く、そこから浮かび上がってくる人物像にリアリティがありました。こういう人いるよな、という。特にハンナは自分と似ている点が多く共感できた反面、判り過ぎてイヤでした。恋人が出来た途端やたらとベタベタしたがるシークェンスなんて痛々しい。彼女のような人間が一旦鎧を脱いで誰かを受け入れると、今度は相手を求め過ぎるんだよな。それが叶わないとなると、また徹底的に拒絶する。0か100しかない。人との適切な距離の取り方が判らない。まあ、それも年齢とともに学んでゆくわけですけど。

その恋人がまた、いかにもいそうなタイプでした。つーか実際に知ってるぞ。学生時代はアウトローを気取って斜に構え、恋愛や結婚なんて馬鹿らしいとうそぶくも、歳をとったらいつの間にか真っ当になっていて、しっかりスーツを着てちゃっかり家庭を持ち、昔のことなんか覚えてませんが何か?、てな顔をしている手合いがネ。

印象的なのは、アニーに恋して告白したものの、ふられてしまった男子学生の今。数年の間に誰もが成長しているのに、彼の時間だけは学生時代で止まっており、意識もそこに留まっています。現実感がまるでなく、過去と現在の区別が付いているかどうかも疑わしい。元アウトローのように要領良く成長を遂げた輩とは対照的に、少し哀しいものがありました。


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