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ウェールズの山

ウェールズの山

監督:クリストファー・マンガー
1995年 イギリス

Wikipedia - ウェールズ
現在、ウェールズはイギリスの一部ではあるけれども、ウェールズ人は独立した民族としての誇りを今も持っているらしい。

第一次大戦中のある日、ウェールズの村に二人のイングランド人が現れる。彼らの目的はフュノン・ガルウ山を測量することだ。目算によるとおそらく280mほどの高さであろうから、山としての条件である305mに満たない丘であると彼らは言うが、ウェールズ人は納得いかない。何しろフュノン・ガルウはイングランド人の侵攻を食い止めたウェールズ唯一の自慢なのだ。そこにどこの馬の骨とも知れないイングランド人が現れて何を言うか。フュノン・ガルウは絶対に山である。山でなければならない。山であってくれよ頼むから。して実際に測ってみると、299m90cm。丘確定。

そういうわけでウェールズ人は結託し、丘に土を盛って無理矢理山にしてしまえ作戦を決行、と同時に、イングランド人に足止めを食らわせるため車を故障させたり列車はないと嘘を吐いたり、傍から見れば全くどうでも良い事に躍起だ。その姿がとても滑稽なのだけれど、私はだんだん笑いとは別の感情を抱いたね。感動というと大袈裟だが、何かそういう類のもの。

第三者から見ればくだらない、ちっぽけな山や川が、土地の人間にしてみれば自慢だったり、大切な思い出の場所だったり、愛すべき美しい風景だったりする。それを守りたい一心で彼らは一丸となり少しずつ土を盛る。他者を貶めたり危害を加えることで存在価値を誇示するのではなく、誇るに値する土地を自分たちの手で作ってゆこうとする。それが郷土愛であり、愛国心というものの本質なんだろうと思う。

この物語はウェールズ地方で語り継がれている「丘を登って山を下ったイギリス人」という伝説を基にしているそうです。モデルとなったのはガース・ヒルという山で、フュノン・ガルウはどうやら造語らしい。最後にちらっと映るんですが、今もときどき土を盛って“山”を維持しているみたいです。


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