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ナッシング

ナッシング

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
2003年 カナダ、日本

自己中心的な勘違い男のデイブと、内気で引き篭もりのアンドリューは、高速道路沿いのボロ屋で同居する幼馴染の間柄。ある日、度重なる不運に見舞われて逃げ場を失った二人は、家に篭城して「こんな世界は消えてしまえ!」と強く願う。すると彼らは家と共に、何も無い真っ白な空間に投げ出されるのだった――。

ドラえもんの道具に“独裁スイッチ”ってのがあって。○○消えろ!と言いながらスイッチを押すと、その○○は本当に消えてしまうという道具。みんな消えちゃえ!と何気なく言った際、たまたまスイッチに触れてしまったのび太は、この世界で孤立してしまう、というお話しだった気がします。それを思い出しました。

どこまでも延々と続く白い空間。そこにポツンと建つボロ屋。辺りに何か無いか、誰かいないかと二人は探索するが何もナッシング。そんなところに放り出されたらと想像すると気がふれそうで、コメディタッチの軽いノリと登場人物のお気楽さとは裏腹に、私は怖くてしょーがありませんでした。

自分にとって不都合だと思えるもの、たとえば考え事をしている時にチクタクと煩い時計のようなただの物質だけでなく、気が滅入る思い出や、はらわたが煮えくり返る怒りや、食料が無いのに否応無く訪れる空腹感までも、二人は念じることで消すことが出来ます。しかし、時計は別として、それらは本当に人間にとって不都合なものだろうか。自分というものを組成する要素を邪魔だからと消していって、自分は自分でいられるのか。あれも消えてこれも消えて、最後に残るのは憎しみか、それとも愛か。というようなテーマをシュールな映像で描いてみせる、非常に独自性のある映画でした。『CUBE』の監督が撮った作品ということでそこそこ期待してはいましたが、私には期待以上の秀作でしたヨ。


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