<< ブルーカラー/怒りのはみだし労働者ども | main | グッドナイト&グッドラック >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


- | - | -

カポーティ

カポーティ [DVD]

監督:ベネット・ミラー
2005年 アメリカ

実際に起きた殺人事件を描いた、トルーマン・カポーティの小説『冷血』は、ノンフィクションでありながら、人間の業を炙り出した一級の文学でもあります。私は惹き込まれて何度か読みました。それより前に『ティファニーで朝食を』を観ていた私は、これが同じ作家によるものかと驚きましたですよ。

で、『冷血』を執筆していた当時のカポーティを描いた伝記的映画である本作はというと、作家の業を炙り出していて、とても良かったです。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技にも魅せられました。カポーティに似ているかどうかは判りません。

で、イヤな言葉だけれども“心の闇”ってヤツを、そこに自ら入り込んで、あたかも実況するかのごとく詳細に表しえたのは、カポーティが作家だからだろうと思いました。視線が内向きなのですよ作家は。最終的には“自分”を見ている。自分と殺人者を照らし合わせて、では自分はどうだろう、大差ないじゃないか、なんて、自分の中にある闇を見ている。それでカポーティと殺人犯は初めて同じ土俵に乗れたのだし、殺人犯は心を許して自分語りを始めたわけです、たとえカポーティにはカポーティなりの“計算”があったとしても。

ただ、それはとても危険なことでもあるようです。「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」とかいう、ニーチェかなんかが書いたアレですよ、ツァラトゥストラ。新聞やテレビで“心の闇”について語っている頭の良いマスコミ関係者やコメンテーターの方々も、当然そういうリスクを冒しているのでしょうネ。当然、そうなんでしょうネ。まさかロクに検証もせず憶測で表面的なこと言って金もらうなんていい加減なことするわけないですよネ。ならいいけどよ。ちなみにカポーティは『冷血』発表以降、アルコールに溺れた末、死んだとさ。


か行 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト


- | - | -

コメント









トラックバック

トラックバックURL :