<< 善き人のためのソナタ | main | ヨコハマメリー >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


- | - | -

ゾンビーノ

ゾンビーノ デラックス版 [DVD]

監督:アンドリュー・カリー
2006年 カナダ

舞台は1950年代のアメリカ、都市近郊の住宅地。『奥様は魔女』あたりのホームドラマっぽい雰囲気。大量発生したゾンビの脅威に打ち克った人類は、特殊な首輪を付けさせることでゾンビをコントロールし、思うままに使役しているというグロテスクな設定。ゾンビを飼うことは、マイカーを持つことと同様にステイタスの顕れであるらしい。

ある日、ティミー少年が暮らす、絵に描いたような中流家庭にゾンビがやってくる。ママがちょっと奮発したらしい。ゾンビの名前はファイド。腐りかけているので顔は真っ青、口はどす黒い赤、動きはトロく、うあーとしか喋れない、中年男の動く死体。匂いがキツイのではないかと私は始終気になったが、そういうことを表す描写は無かった。

ティミーのパパは家庭を顧みない。マッチョなパパを演じるのはやぶさかでないようだが、普段は車を傷つけないことや上司におもねることしか頭にない。一方で腐った死体のファイドは、気の利いたことの一つも喋れないものの、ティミーを苛めっ子から救ったり、ママのダンス相手になったりと、理想的な父親であり男を体現する。よせば良いのにパパは、ファイドにつまらない嫌がらせをしたりする。ゾンビ以下なのだ。

昔のアメリカのホームドラマで観られるような、あからさまにわざとらしい家族の仲良しぶりと、ゾンビの組み合わせ。初めのうちは、何だよコレと言いながら、せせら笑うように観ていたのだけど、次第に笑えなくなってしまった。亭主元気で留守がいい、なんてフレーズが一昔前に流行ったが、亭主元気でゾンビならなお良いのではないか。なにしろ余計なことは喋らないし、仕事はきっちりするのだから。だったら父性っていったい何なのか。矮小な人間性を曝け出して軽蔑されているゾンビ以下の父親が、車にワックスかけたりゴルフクラブ磨いたりして、明日また家族のために、糞ムカツクようなおべんちゃらを言いながら金を稼ぐことの、いったいどこが悪いのだろう。ママはバカし放題のバカで生きられて、パパの末路は蔑ろってんじゃあ気持ちが悪過ぎるなあ。


さ行 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト


- | - | -

コメント









トラックバック

トラックバックURL :