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ヨコハマメリー

ヨコハマメリー [DVD]

監督:中村高寛
2005年 日本

かつて横浜にいたそうです。“ハマのメリー”と呼ばれた老婆の娼婦が。

腕から手、胸元から顔、人目にふれる肌という肌に、これでもかと白粉を塗りたくり、服装は白が基調のヒラヒラフリフリ、たぶん外国映画のヒロインを真似たのでしょう、そんな出で立ちで、横浜の街角に立ち続けた街娼のメリーさん。この映画は、メリーさんと関わりあった人達の証言から、彼女の人間像に迫ろうというドキュメンタリーです。

この映画が取り上げるのは、ほとんど憶測ばかりです。メリーさんはきっとこう思っていたのではないか、たぶんこういうことだったのだろう、と彼女の知人が喋る様子を延々と映し出します。だからメリーさんの実態は、最後まで判りません。彼女が実際に何を思って、どんなふうに生きてきたか、何の確証も得ないまま、こちらはメリー像を作り上げるわけです。これはドキュメンタリー映画としては致命的な欠陥であるはずなのですが、それでも面白いんですね。おそらくメリーさんのことを結局、誰も判らないから、確認の取り様が無いから、私たちは面白がっていられるのでしょう。

メリーさんは自分について、あまりにも語らなかったようです。だから彼女の実態を知る人は、とても少ない。横浜の街角に立っていた白塗りのメリーという御婆さんを、街の景色として認識していた人は大勢いたはずなのに、彼女が何者かはほとんどの人が知らないのです。一種異様な都市伝説みたいなものとして、そこに“あった”んでしょうね。

ラストで、とある田舎町の養老院に暮らすメリーさんが映し出されます。いや、もうメリーさんではありません。本名の、なんたらかんたらさんです。彼女は穏やかな笑みを浮かべた、可愛らしい、気品のあるお婆ちゃんでした。


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