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エイプリルの七面鳥

エイプリルの七面鳥 [DVD]

監督:ピーター・ヘッジズ
2003年 アメリカ

家族との折り合いが悪く、特に母親との間に相克を抱えているヒロインのエイプリルが、ある感謝祭の日に七面鳥を焼いて、恋人とともに暮らす安アパートへ家族を招こうと奔走する姿を描いた映画です。

ガーリッシュで可愛らしいパッケージを見て二の足を踏んでしまう野郎もいるかと思います。しかし中身は、なかなかどうして、しっかりとした家族再生の物語でした。

僅か80分の小品ですが、エイプリルを含め登場人物の特徴・置かれている状況が、決して説明臭くならずに判り易く表現されていました。感謝祭の一日(正確には半日未満)という短い時間を切り取っているにもかかわらず、台詞の巧さと写真というアイテムの使い方の巧さが、家族の歴史までも浮かび上がらせるのです。

奇をてらうでもなく類型に陥るでもない、現実的ではあるけれど象徴的で一癖持った人物設定は、彼らがあたかも実在しているかのような生々しい印象を与えます。その点はヘッジズ監督が原作を書いた映画『ギルバート・グレイプ』にも通じるものがありますね。

エイプリルは自由奔放なパンクスです。おそらく料理なんて普段は全くしていない。慣れない手つきながら懸命に食材と格闘するものの、どうにもやり方が雑で、あんなもの私なら食いたかない。それは彼女の母親も同じで、エイプリルの元へ向かう道中、いかにして彼女の料理を上手いこと飲み込まずに吐き出すか、あらかじめ腹を満たしておこうか、そんなことばかりシニカルなジョークを交えて話します。しかしそんな母親が、家族の中で一番緊張していて、一番エイプリルのことを気にかけているんだな。そして2人は再会するわけだけど……、ここでもまた写真が重要なポイントとなります。こりゃホントに巧い演出ですよ。ドラマティックに盛り立てて泣かせようとするわけではないのに、というかむしろ感動の再会をあっさり流しているのに、とても心に残ります。

不味そうだったはずの七面鳥が、最後には妙に温かく見えました。


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