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ブレイブ ワン

ブレイブ ワン 特別版

監督:ニール・ジョーダン
2007年 アメリカ、オーストラリア

J・フォスターにはすっかり“戦う女”のイメージがついてしまいました。プライベートにまつわる話もあいまって、私には彼女の生き方が片意地張ったものに思えてしまい、昔は好きでしたが今はそうでもありません。更に『フライトプラン』の糞っぷりが駄目押しとなり、この映画も観ようか観まいか考えあぐねたのですが、結局、観ました。

で、これがなかなか良いのです。数人のチンピラに襲われて大怪我を負い恋人まで殺された女が、自殺する目的で銃を手に入れるのですが、たまたまコンビニで銃を振りかざす男を射殺してしまったことから、彼女は連続殺人に手を染めてしまいます。ターゲットはどれも“悪”です。地下鉄の車内で傍若無人に振舞う若者、少女を監禁する男、確たる証拠を掴ませない狡猾さで逮捕を免れ大手を振って町を歩く裏社会の顔役。彼女はそれら悪を懲らしめる正義の使者です。しかし正義という力を行使すれば、その者もまた悪となります。

ラジオのDJを生業としている彼女は数件の“制裁”について、自分の番組で聴取者からの意見を募ります。かかってきた電話のほとんどは制裁に肯定的で、溜飲が下がる思いがしたというようなものもあります。うんざりする彼女でしたが、一件だけあった否定的な意見には暗い顔で賛同します。彼女自身、重々判っているのです。彼女の行いは紛れも無く暴力であるということを。しかし正義というものは、ひとたび暴走し始まると本人にも止める術がありません。元が善意より発露しているから余計にタチが悪いのナ。そして彼女は思うのです、「もう戻れないところにまで来てしまった」と。

女はアメリカを象徴しているのでしょう。願わくば、せめて彼女のような良心を持ったアメリカ人が少数派でなければ良いですが、んー、望みは薄い気がします。アメリカだけではありません。日本にも、正義という名の暴力に喝采を贈る人間がいます。自らの手を汚すこともなく、制裁が行なわれる様をテレビ画面で見ながら溜飲を下げる人間が、少なからずいるのです。世界を戻れないところにまで押しやってしまうのは、そういう人達ダ。


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