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アメリカン・ギャングスター

アメリカン・ギャングスター [DVD]

監督:リドリー・スコット
2007年 アメリカ

映画とは本来、フィルムという闇に光りを焼き付けてゆくものなのだけど、近頃の映画は逆で、光りの中に闇を置いてしまう。だったらフィルムじゃなくビデオで撮れと私は思う。その点、リドリー・スコットの撮る画はいつも闇に満ちていて、だから光りが効果的に浮き上がる。ブラインドから何気なく差し込む薄青い光りでさえ、一筋の光明になり得る。この映画もそうでした。そういうわけで、映像には満足です。

粗筋を掻い摘んで書くと、捜査官が麻薬王を逮捕する話し、です。14文字で終わってしまいました。ところがこの映画は157分の長尺です。どこにそれほどの時間が費やされたのかというと、人物描写でした。両者の攻防とは直接的に関係のない、それぞれの人物像を掘り下げるエピソードが、丹念過ぎるほど丹念に描写されます。これは結構キツイものがありました。実録犯罪モノだからそうせざるを得なかったのかもしれませんが、もう少し映画的嘘をついても良いのではないでしょうか。

ラストになってようやく捜査官と麻薬王が対峙します。それまでが長過ぎたため、二人がやっと出会えて本当に良かったと、ロマンチストな私は彦星と織姫の再会を祝うような気持ちで嬉しくなりました。しかし、その後がいただけない。何ですか、あのやっつけ仕事的な後始末は。さっさと退社して呑みに行きたいから引継ぎもほどほどに、「まあそんな感じで」の一言で締めくくるようないい加減さは。それまで観客なんか関係ねぇとでも言わんばかりに細かな描写に固執したのはいったい、何だったんですか。

とまあ、そんな感じで。


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愛より強く

愛より強く スペシャル・エディション [DVD]

監督:ファティ・アキン
2004年 ドイツ、トルコ

荒んだ人生を歩んでいるトルコ系ドイツ人の男。自殺未遂をやらかした彼は病院で、やはり自殺未遂をやらかしたトルコ系ドイツ人の見知らぬ女より、保守的なイスラム教徒の家族の束縛から逃れたいという理由で、偽装結婚をもちかけられる。初めは断る男だったが、結婚してくれないと死ぬという女の言葉がどうやら本気であると知って承諾する。そうして二人は仮初めの結婚生活を始めるのだった――。

愛や性を赤裸々に描いたこの手の映画は、やはり苦手だということを思い知った。これが、例えば『ピアノ・レッスン』のように詩情豊かな映像や音楽を伴っていれば、それだけで好きになることもあるのだが。

おそらくこういう映画は、道徳的な人達が決して自ら体験できない人生を疑似体験するために観れば良いのだ。とても道徳的とは言い難い私のような人間にとっては、最も個人的で反社会的である恋愛という行為を、あえて映画で観る必要がない。自分でやれば良いことだからだ。


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穴/HOLES

穴 / HOLES [DVD]

監督:アンドリュー・デイヴィス
2003年 アメリカ

大昔、一族にかけられた呪いのせいで自分は不運なのダ。そう信じている少年が主人公。若くして人生を諦めきっているかのような彼は、だから無実の罪を着せられても身の潔白を訴えることなく、促されるまま矯正施設へ送られる。そこで課せられた労働は、広大な砂漠に毎日穴を掘り続けることだ。女所長と刑務官は、その修行が人格形成に役立つなどと言うが、実は別の目論見があった――。

施設の仲間と衝突したり友情を育んだりしながら成長してゆく少年の日常を軸に、彼の先祖が呪いをかけられるに至った過程や、1900年代初頭にその地で暴れまわった悲劇の女強盗“キス魔のケイト・バーロウ”の人生までもが描かれ、やがて一つに収斂する。原作は有名な児童文学らしいが、その割りに構成はなかなか複雑で、オトナも楽しめるくらいプロットが良く出来ている。全てが丸く収まるラストは、いくらなんでもという気がしてしまうけれど、そこはディズニーの子供向け映画だから仕方ないということにしておこう。いちいち“Excuse me”と言いつつも物凄く威圧感のある嫌味な女所長をシガニー・ウィーバーが演じていた。


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エバン・オールマイティ

エバン・オールマイティ

監督:トム・シャドヤック
2007年 アメリカ

ジム・キャリー主演『ブルース・オールマイティ』の続編というかスピンオフ。野心家で利己的な新米議員の主人公が、神を名乗る者より命ぜられて箱舟を作るうち、いつしか世界を救うという使命感に燃え始める。というような話し。

全知全能の力を与えられながら小さな善行を積み重ねることに追われたブルースに対し、エバンはノアの箱舟を作るってんだから、なかなか壮大なお話です。CGもよく出来ています。しかしコメディとしては並み以下。鳥の大群に襲われたり糞を落とされたり、今更そんなのでどう笑えば良いのか私には判りません。


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アイ・アム・レジェンド

アイ・アム・レジェンド 特別版 [DVD]

監督:フランシス・ローレンス
2007年 アメリカ

新手のウィルスによって人類は滅亡した“と思われた”近未来を舞台に、ただ一人の生き残り“と思われた”男が治療法を見つけ出すべく孤独な戦いに挑む物語。

人っ子一人いない荒れ果てたニューヨークの街中で、主人公が相棒の犬とともにスポーツカーを駆り鹿を追う冒頭のシークェンスには引き込まれた。『渚にて』のような終末感は悪くない。どこか気ままなような、しかし酷く孤独な主人公の暮らしぶりが判る細かな描写も面白い。しかし残念ながらストーリーがつまらない。終盤に差し掛かる辺りからは、作り手がいったい何を目指しているのかさえよく判らなくなった。人間性への鋭い考察があるでもなく、かといってゾンビ映画として観ても盛り上がりに欠ける。


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アンタッチャブル

アンタッチャブル(通常版) [DVD]

監督:ブライアン・デ・パルマ
1987年 アメリカ

禁酒法の時代に暗躍したマフィアのボス、アル・カポネを摘発すべく、果敢にも立ち上がった財務省調査官とその仲間の物語。

デ・パルマ監督らしいケレン味のある演出が魅力の一品です。大階段のシーンの格好良さなんかはもう今更何をかいわんや、ってなほど語り草ですな。大昔、新春かくし芸大会で芸能人たちがあのシーンのパロディをやっていたのを覚えています。まあそんなことは良いです。

でも一番好きなのはショーン・コネリー演じる警官が死ぬ直前のシーンかな。刺客に襲われ瀕死のコネリーが這いつくばって手を伸ばした先に、彼が大切にしている御守りがある。それをケビン・コスナー演じる調査官が取ってやり、コネリーの手に握らせる。しかしコネリーは投げ捨てて、またも手を伸ばす。彼が欲しかったのは、御守りのもっと先にある捜査資料。今際の際に立っても尚、カポネ逮捕に執念を燃やす男の中の男の図でした。

あと忘れちゃならないのがエンニオ・モリコーネの音楽。素晴らしいです。特にテーマ曲は神の領域。

惨たらしい場面も多いですが、基本的には娯楽映画で、ちょっとしたユーモアや洒落た台詞もあったりします。『ゴッドファーザー』のような重厚感も『グッドフェローズ』のようなクールさもないけれども、すかっとしたい時には良いかもね。


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いのちの食べかた

いのちの食べかた [DVD]

監督:ニコラウス・ゲイハルター
2005年 ドイツ、オーストリア

食物が生産・加工される過程を、ただひたすら映し出すドキュメンタリーです。食べる事は殺す事であるという当然の摂理について、もっと突っ込んだ形で描いているものを勝手に期待していたのですが、主に描かれるのは農作物を扱うシーンで、屠畜に関してはさらりと触れるだけでした。正直かったるいです。中学生くらいの子供に教材として見せるなら良いかもしれませんが、大人にはちょっと物足りない気がします。

ただまあ、全てがオートメーション化された中、無機質に動物或いは植物の命が搾取されてゆく様を、ナレーションもない静けさと共に淡々と映し出されると、やはり不気味ではあるし考えさせられるものも無くは無い。清潔そうなステンレスの輝きが恐いです。あと、牛を殺す瞬間には流石にザワザワしました。身の危険を察知しているのか暴れるのですヨ牛が。ありゃちょっとイヤでした。ヒヨコの扱いがぞんざいなのも印象的。

おそらく監督は、このフィルムに特別な意味を付与しないよう、できるだけ客観的に事実のみを映し出そうと努め、あとの判断は観客に委ねることにしたのでしょう。そしてそれは成功しています。しかし、事実を焼き付けただけの記録フィルムを映画と呼べるだろうか。これを映画と捉えるなら、監督の誠実さは逆に不誠実であると私は思うね。作り手の主張が感じられない映画はつまらない。どんなに偏っていて、批判されること必至の主張だとしても、覚悟の上で晒すのが表現者の仕事でしょ。


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イージー・ライダー

イージー★ライダー [DVD]

監督:デニス・ホッパー
1969年 アメリカ

「自由に生きる事と自由を主張する事は違うんだよ」

ジャック・ニコルソンのこの台詞が全てです。自由の意義を主張しながら、自由であることを許さない国、アメリカ。自由というものの概念だけが先行し、むしろ不自由に陥っている国、アメリカ。映画の舞台となっているのはラブ&ピースの時代のアメリカですが、今のアメリカとどれほどの違いがありましょう。そして日本は? ああ、気が滅入る。

自由は殺される、何故なら自由とは脅威だから。という悲しい現実を描いた、男臭くてマリファナ臭いロードムービーの傑作でごんす。お迎えでごんす。


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アタック・オブ・ザ・キラー・トマト

アタック・オブ・ザ・キラー・トマト スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

監督:ジョン・デ・ベロ
1978年 アメリカ

アターーーーーック・オブ・ザ・キラー・トメイトーーー♪

という勇壮なマーチとともに始まるこの映画は、人食いトマトと人類の攻防を描いた、アクションホラーサスペンスパニックディザスターロマンスミュージカルバディヒューマンドラマ。なのです。

この映画で描かれるトマト像は非常に凶悪です。転がされているだけ、或いは投げられているだけ、もしくは水面にプカプカ浮いているだけに見えるかもしれませんが、それは絶対に気のせいです。トマトの自然極まりない動きに合わせて悲鳴をあげる三文役者の猿芝居が見るに耐えないと感じても、すぐにDVDプレイヤーをオフにしたりしないで下さい。さもなければ、トマトとは無関係なゆるいギャグを延々と羅列するシーンの連続から、人生という限りある時間の有り難味を学ぶというせっかくの機会を、オマエは得られなくなるでしょう。

誰が言ったか、“史上最低の映画”というレッテルを、この映画は貼られているのですが、それは間違いです。バカ映画ではありますよ。バカが一所懸命、真面目にバカをやった、情熱的なバカ映画ですよ。しかし、というか、だから、最低ではない。最低ってのは、ここ数年のハリウッド娯楽大作のことですよ。


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アポカリプト

アポカリプト [DVD]

監督:メル・ギブソン
2006年 アメリカ

雨乞いの儀式を行うための生贄としてマヤ帝国に捕らわれた狩猟民族の青年ジャガーが、残してきた妻子を助けるべく命からがら逃げ出して、鬱蒼と茂ったジャングルの中ひたすら走りひたすら戦うという、全編が汗と血と泥にまみれた男臭く暑苦しい映画。なのだ。残虐なシーンが多いので注意が必要。なのだ。しかし生きるということは本来、残虐性を必ず孕んでいるのであって、今時珍しくそのことから目を背けずにきちんと残虐な描写をするメル・ギブソンという監督は、その点で誠実であると言えなくもなくもなく。なのだ。でもあんまりグロいとかえってリアリティが感じられなかったりするから困りもの。なのだ。だー! 元気ですかー!


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